理系さん二次 ③
薬草蒸し風呂から出た後、「ヘルニアの腰の調子がすこぶる良くなった」とご機嫌な理系さんと温泉地を散策していたその時。
理系さんの身長183センチを田舎の低い屋根が襲った!!
頭を抱えてうずくまる理系さん。
それを見てあたふたするぐり。
理系「やばい…血が出てる…」
ぐり「病院行きますか?」
理系「そうしようかな…」
不幸中の幸いか、私のマンションの目の前での出来事だった。
「先に冷やした方がいいかも!うちに行きましょう!」という言葉を飲み込んだ。
部屋が汚いのだった…。
交際前の、でも気がある男性を部屋に連れ込む勇気なんてないピュア乙女心を言い訳に、部屋の掃除を完全にサボっていた。
ここは仕方ない。
とりあえず部屋に戻り、保冷剤のみ取ってきて理系さんに渡した。
ぐり「とりあえずこれで冷やしましょう」
その後、理系さんのテンションはだだ下がりだった。よほど痛かったのだろう。
でもあたしだったらどんなに痛くても、デート中の相手の前でそんな顔をしたりしないんだけどな。なんてちょっとこっちも微妙な感じになった。
その後のことはあまりよく覚えていない。
頭ぶつけ事件に気を取られていたのと、その日の夜どうやってこの人を口説こうかということで頭がいっぱいだったのかもしれない。