ホステスぐり 一次面接艦これさん編②
約束の場所にに五分遅れで駆け込んだ化粧ケバいJDぐり。
そこに居たのはやっぱり普通の茶髪の男性だった。グレーのパーカーにジーンズと、服装はシンプルでなかなかお洒落だ。
ぐり「艦これさんですか?初めまして〜!」
艦これ「あっ、は、初めまシテ....」
艦これさん、めちゃくちゃ緊張している模様。
事前に行くお店は話し合っており、艦これさんオススメのイタリアンと決まっていた。
そこまで徒歩10分くらいなので、ちょっとお話しながら歩くことに。
ちらっと隣の艦これさんを見てみる。
艦これ「………(焦)」
目がバッシャバシャ泳いでいる。何か話題をと思っているものの、緊張しすぎて何も浮かばない様子が見てとれる。
ここは仕方ない。ホステスぐりを召喚だ。
ぐり「あたしここに来る前に洗濯物を取り込んできたんですけどー、なんか洗濯物に虫がついてたみたいで!家の中で格闘してきたんです〜!艦これさんは虫大丈夫ですかー?」
表情をくるくる変えながら、最後はにこやかに艦これさんに問いかける。
艦これ「えっ、あっ、はは…俺も虫はダメっすね…笑」
これを皮切りに、艦これさんの緊張は少しずつ解けてきたようだ。
ここでひとつ暴露すると、ぐりは過去に3日間だけ、友達のヘルプとしてスナックのお手伝いをさせてもらった経験がある。
昼間じゃただ濃いだけの化粧も、夜なら映える。
たった3日間だけだったが、ママには「才能がある」とお褒めいただき、常連のお客さんにも「話が上手い。また会いに来るから続けてほしい」と言わせた武勇伝を持っている。
しかし貢がれるより貢ぐ派のぐりにとって、お客さんにお酒を奢られるのはなんとも心苦しく、もう二度とホステスぐりちゃん♡に戻ることはないと思っていたのだが…
あの時の経験がまさかこんなところで活きるとは。
とりあえずこんな調子で艦これさんのテンションを上げつつ、お店に入った。
シックな雰囲気のレストラン。
本格的なイタリアンだ。
やばい。この前理系さんの時に金を使いすぎて財布の中身が2000円しかない。帰りの電車代を入れて2000円ジャストだ。
そしてさらに、ぐりは大食いだ。「自分めっちゃ食べるよ〜!」的なハッタリではない。もちろん、普段はセーブしているが、美味しいものを目の前にするとつい調子に乗ってしまい、止まらなくなるので要注意なのだ。
目の前のメニューを基に頭の中でそろばんを弾いていると…
艦これ「あ、先に言っておくけど今日は俺の奢りだから。」
えっっ!?!?今なんて!!??
ぐり「そんな大丈夫です!あたし…実は結構食べるので…自分で払います!!」
艦これ「いやいや。わざわざこっちまで来てくれたし。ぐりちゃん学生だし。あとこういう言い方もなんだけど、〇〇(艦これさんの会社名)勤めって、ここらでは高給取りの部類なんよ。 それに、趣味がゲームとかだから金も使わないし。食事奢るくらい大したことないから気にせず食べて。」
おお…。すごい。
某鉄鋼メーカーの余裕も確かにすごいけど…。
私個人としては人に払わせるのはあまり好きではありません。
好きな人には自分が払い、そうじゃない人とは割り勘。これがぐりの基本です←闇深
けれどその一方で、会計時にもたつくのもスマートじゃないから嫌いです。それが嫌なのでぐりはいつも席で相手にお金を渡すのですが。
そのパターンではないけれど、今日の艦これさんのように、先に「今日は自分が払う」と申し出るのは男性としてかなりかっこいいと思いました。
漢気あるじゃねーか、艦これさん。
ぐりの好感度が5上がった。
お言葉に甘えて、今夜はご馳走になることに。
食事中にはこれまでの婚活状況やお仕事の話、趣味の料理の話などをした。
互いに打ち解け、和やかな雰囲気になったかと思われたが、このあと意外な障壁が!!
続く